女性と防犯②

女性と防犯①で紹介したように、犯罪に巻き込まれないための備えを十分に行っていたにも関わらず、犯人に遭遇してしまう場合があります。逃げることが最優先ですが、それも難しい場合には、犯人と対峙しなければなりません。女性が犯人と戦うのは圧倒的に不利ですが、その性質を知り相手の隙を見つけることで、逃げる隙を見つけることができます。 女性が不利な要素 腕力・・・男性の方が圧倒的に強く、押さえつけられた場合などは振り払うことが困難になる。 リーチ・・・腕の長さ。男性に比べて女性のほうが短いため、より接近しなければ攻撃できない。 ヒール・・・走って逃げる際に不利になる。 スカート・・・動きづらいため、逃げる際にも攻撃の際にも不利になる。 手荷物・・・手荷物が多いため、攻撃や逃走の際に邪魔になる。 髪の毛・・・ロングヘアーなどは犯人に掴まれたりして逃走の邪魔になる。 不利な要素を克服 武術の基礎的な部分です。不利な要素をどのようにしてカバーすればいいのか、覚えておきましょう。実践するのは難しいかも知れませんが、頭の片隅においておくことで、いざというときに慌てずに済むと思います。 腕力とリーチ 腕力とリーチの無さは、スピードとタイミングによってカバーすることができます。鞭を想像すると分かり易いと思います。ゆっくり振り下ろした鞭は痛くないですが、同じ鞭でもすばやく振り下ろしたほうが痛いですよね。なので、攻撃する際は強さよりも早さを意識して攻撃しましょう。タイミングは、相手が力を緩めたときを狙うことを意識するといいでしょう。例えば相手がパンチを放った直後の腕を戻す瞬間などがそうです。また、相手に同調することで力を倍にする方法もあります。例えば、相手がこちらに向かって腕を伸ばしてきたとき。相手の腕を取って背負い投げをしたり、そこまでできなくてもそのまま手前に引き倒すことができれば、逃げる隙をつくることができます。逆に相手のリズムからずらす動きをするのも効果的です。例えば相手が伸ばした腕の伸びきった肘を叩いたり、蹴り上げた足とは反対の足のすねを狙ったりする動きです。動きの少ない場所を狙うことで確実にヒットさせることができ、相手にもダメージを与えることができます。 ヒール 走って逃げる際には、脱ぎ捨てて犯人に投げつけましょう。相手が一瞬怯んだ隙に逃げ、コンビニなどで助けを求めるのが得策です。逃げられないほど接近している場合には、ヒールのかかとで相手の足を思い切り踏みつけましょう。脱いだヒールで目を狙うのも効果的です。 手荷物 ハンドバッグなどは、立派な武器になります。遠心力を利用し、スピードを意識して相手の顔面などを狙って殴打すれば、かなりの効果が期待できます。ですが、効果はそれほど持続しないと思われますので、これも犯人が怯んだ隙に逃げることが大切です。 日頃の防犯意識が大切です。 柔軟な対応を! 護身術で大切なことは、マニュアルに囚われずに柔軟に動くことです。両手をつかまれたら、抱きつかれたら、地面に押さえつけられたらなど、それぞれの状況にあった対処の仕方が護身術では教えられますが、犯人がマニュアル通りに手を掴んだり、抱きついたりしてくるとは限りません。ですので、自分で考え今できる動きを続けて試すことが大事になってきます。まずは落ち着いて自分の状況を把握することからはじめましょう。拘束状態から脱出できるまで動きを止めないことが大切です。 動かせる部位・・・足首、頭、腰、手首、肘、膝など各関節に分けて考え、動かせるところを探す。 方向・・・動かせる部位がどちらの方向に動くか確認する。 程度・・・どの程度動かせるのか確認する。 組み合わせる・・・動かせる部位、方向、程度を組み合わせてどんな動きができるのか考え、試してみる。 護身術で自己防衛対策を! 力まない、緊張しないために スムーズに動くためには力まないことが大切です。普段から護身術の動きを意識しておく、練習しておくことによって、いざというときにも力まずに犯人に挑むことができるでしょう。犯人を前にして力むなといわれても難しいかも知れませんが、深呼吸して力を抜くことを意識するようにしましょう。また、緊張して頭が真っ白になってしまうことが無いように気をつけましょう。体が強張ってしまうと緊張も高まるので、大声で助けを呼ぶようにしましょう。大声を出すと、体の緊張が少しほぐれます。助けが来るまでの間に戦える位の落ち着きは取り戻せるはずです。また、「声を出せば緊張がほぐれる」と普段から自分に言い聞かせておくのも効果的です。これは一種の催眠術のようなもので、自分に暗示をかけることで実現できます。自信が無い人は、防犯ブザーなどを持ち歩くといいですね。大きな音で相手を怯ませることができ、助けも呼べるので一石二鳥です。犯人と対峙した際にパニックに陥ってしまうのが一番危険です。落ち着いて呼吸することを意識し、鼻から吸って口から吐くようにしましょう。こうすると脳に酸素がいきわたり、精神状態も少し安定するはずです。 通報のコツ 暴漢などが現れたら、まずは警察に通報して助けを求めます。パニックを起こさず、落ち着いて通報しましょう。通報してから現地に警察官が来るまで全国平均で約7分掛かるそうです。現着時間の短縮には、居場所を正確に伝えることが最大のポイントになります。自分が今居る場所の住所が分からなければ、近くの自動販売機に書いてある住所や、交通標識の管理番号、電柱の管理番号、信号機のボックスの番号などを伝えると、警察で住所管理しているため居場所を正確に伝えることができます。慌てずにそれらを伝えられるよう、普段からどこに管理番号が書いてあるのかチェックしておきましょう。